スクリプト(Script) 入門 4

NAND Flash Memory(以下NAND)の消去、書込み、読出しの最小単位は、その構造上、下記の通りです。

消去(Erase)ブロック単位で一括消去
書込み(Program)ページ単位(データ部+冗長部)
読出し(Read)ページ単位(データ部+冗長部)

スクリプト(Script) 入門 4

今回は、上記関連のScriptコマンドを紹介します。

用途に合わせて、数種のコマンドが用意されており、マルチチップやマルチプレーンにも対応しております。

詳細については、SigNAS3 Operational Guideをご覧ください。

BLOCK単位・・・指定したブロックをイレーズします。

BKERASBlock Erase
BKERMCBlock Erase MultiChip
対象Chip指定は、ビットマップ対応のパラメータで行います。
BKEMPxBlock Erase MultiPlane
パラメータで指定した、異なるプレーンの計x個のブロックをイレーズします。
BEMCPxBlock Erase MulitiChip MultiPlane

PAGE単位・・・指定したブロックをイレーズします。

PGPROGPage Program
PGPGMCPage Program MultiChip
対象Chip指定は、ビットマップ対応のパラメータで行います。
PGPMPxPage Program MultiPlane
パラメータで指定した、異なるプレーンの計x個のブロック内のページをプログラムします。
PPMCPxPage Program MulitiChip MultiPlane

尚、プログラムパターンは、パラメータにて下記3種を指定できます。

INCRMTインクリメントパターン
RANDOM疑似ランダムパターン
BUFFERバッファパターン(ユーザーが予め準備したパターンファイル)

BLOCK単位・・・指定したブロックの全ページをプログラムします。

BKPROGBlock Program
BKPGMCBlock Program MultiChip
対象Chip指定は、ビットマップ対応のパラメータで行います。
BKPMPxBlock Program MultiPlane
パラメータで指定した、異なるプレーンの計x個のブロック内の全ページをプログラムします。
BPMCPxBlock Program MulitiChip MultiPlane

尚、プログラムパターンは、上記PageProgramのパターンに加え下記3種、計6種の設定が可能です。

ICROVLインクリメントパターン(全ページの先頭でパターン初期化実施)
RDMOVL疑似ランダムパターン(全ページの先頭でシードの初期化実施)
BUFATAバッファパターン(Page0には、バッファ0000、… 、Page5183にはバッファ143Fを割当て)

PAGE単位・・・指定したページをリードします。データ転送は行いません。

PGREADPage Read
PEREADPage Read with Extend Address
拡張アドレスを指定することができます。
PGRMPxPage Read MultiPlane
パラメータで指定した、異なるプレーンの計x個のブロック内のページをリードします。
PERMPxPage Read MultiPlane + Extend Addresss
PGRMPxと同様の動作をしますが、拡張アドレスを指定できます。
PGRDDMPage Read and Dump
指定したページをリードし、リードデータをDump Fileに保存します。
PGRDCPPage Read and Compe
指定したページをリードし、指定したパターンと比較します。
不一致の場所と比較結果(XOR値、不一致のビットが1で表される)をCompare Fileに保存します。

尚、比較パターンは、パラメータにて下記3種を指定できます。

INCRMTインクリメントパターン
RANDOM疑似ランダムパターン
BUFFERバッファパターン(ユーザーが予め準備したパターンファイル)
PERDDCPPage Read and Compare with Extended Address
PGRDCPと同様の動作をしますが、拡張アドレスを指定できます。
PGRDECPage Read and Error Count
指定したページをリードし、指定したパターンと比較を行い、エラー数をカウントします。
エラーカウント結果をError Count Fileに保存します。

尚、比較パターンは、パラメータにて上記PGRDCPの3種に加え、下記2種、計5種を指定できます。

ICROVLBlock Program のICROVLに対応
RDMOVLBlock Program のRDMOVLに対応
PERDECPage Read and Error Count with Extended Address
PGRDECと同様の動作をしますが、拡張アドレスを指定できます。
PGDUMPPage Dump
NANDのキャッシュデータを取得し、Dump Fileに保存します。
PGCOMPPage Compare
NANDのキャッシュデータを取得し、指定したパターンと比較します。
PGSRDMPage Softbit Read and Dump
指定したページのソフトビットをリードし、リードデータをDump Fileに保存します。
PESRDMPage Softbit Read and Dump with Extend address

BLOCK単位・・・指定したブロックの全ページをプログラムします。

BKREADBlock Read
BEREADBlock Read with Extend Address
BKREADと同様の動作をしますが、拡張アドレスを指定できます。
BKRDDMBlock Read and Dump
指定したブロックの全ページをリードし、リードデータをDump Fileに保存します。
BERDDMBlock Read and Dump with Extend Address
BKRDDMと同様の動作をしますが、拡張アドレスを指定できます。
BKRDCPBlock Read and Compare
指定したブロックの全ページをリードし、指定したパターンと比較します。
不一致の場所と比較結果(XOR値、不一致のビットが1で表される)をCompare Fileに保存します。

比較パターンはパラメータにて、下記6種を指定することができます。

INCRMTインクリメントパターン(全ページの先頭でパターン初期化実施)
ICROVLインクリメントパターン(ブロックの最初のページの先頭でパターン初期化実施)
RANDOM疑似ランダムパターン(全ページの先頭でパターン初期化実施)
RDMOVL疑似ランダムパターン(ブロックの最初のページの先頭でパターン初期化実施)
BUFFERバッファパターン
BUFATAバッファパターン(Page0には、バッファ0000、… 、Page5183にはバッファ143Fを割当て)
BERDCPBlock Read and Compare with Extend Address
BKRDCPと同様の動作をしますが、拡張アドレスを指定できます。
BKRDECBlock Read and Error Count
指定したブロックの全ページをリードし、指定したパターンと比較を行い、エラー数をカウントします。
エラーカウント結果をError Count Fileに保存します。
比較パターンはBKRDCPと同じです。
BERDECBlock Read and Error Count with Extend Address
BKRDECと同様の動作をしますが、拡張アドレスを指定できます。

尚、GUIにも、下図のようなNANDのリード、比較機能が装備されております。