スクリプト(Script) 入門 1

SigNAS3 には、基本的な評価機能がGUIに備わっています。

一方、Scriptを使用すれば、測定条件や手順を容易にカスタマイズすることでできます。

Script は、簡単なプログラムです。

ここでは、作成から実行までの流れを、簡単な実例を交えて紹介します。

Scriptの作成

Sctiptは、テキストエディタ等(特に指定はありません)を使用して作成します。

Scriptであることを示すファイル名のサフィックスは、.ssl です。

Scriptは、6文字のコマンドとパラメータで記述された機能の羅列で構成されます。

下記はBlock Eraseの例です。

コマンドパラメータ
BKERASChip番号(0-7)Block番号(Hex 4桁)

例) 指定のブロックをイレーズした後、指定のページにプログラムを行い、そのページのデータを読み取り、ダンプするScript

1. 'Example 1
 ' は、何も実行しないコメント行であることを示します。
2. BKERAS 0 0001Chip0, Block1をイレーズ
3. PGPROG 0 0001 0002 INCRMT 03020100 04040404Chip0, Block1,Page2をプログラム
(インクリメント)
4. PGPROG 0 0001 0002 INCRMT 03020100 04040404Chip0, Block1,Page2をリード
(キャッシュに記録)
5. PGDUMP 0 0001 0002 0008 (このサイズは4バイト単位)キャッシュからデータ32バイト分
をダンプファイルに保存

上記Scriptをファイル名example-1.sslとしてセーブしました。

Scriptの実行

上記 example-1.ssl の実行に先立ち、必要なパラメータをScriptのGUI (下図) の設定画面でセットします。

【Lane Select】

最初に、測定を行うLaneを選択します。

接続されていないLaneに対する設定はできませんので、Lane/Channel Settingsウィンドウで接続をしてください。

【Enable】

各種動作のEnable設定を行います。

チェックされている動作のみを行い、チェックされていない動作はスクリプトファイルに記載されていても実行されません。

各Enable設定の対象コマンドを 下表 に示します。

尚、初期状態では、全てチェック(有効)されています。

【Script File】

実行するスクリプトファイルを指定します。

Browseボタンでファイルを選択するダイアログボックスが開きます。Clearボタンで設定内容をクリアします。

【Script Check Mode】

これをチェック(有効)した状態で、実行(Execute)すると、Scriptの内容の文法チェックを行います。

コマンドのスペルミスや、パラメータの桁数などの間違いがある場合は、その旨表示されますので、エラーが無くなるまで、修正、チェックを繰り返してください。

エラーか無くなったら、このモードのチェックを外し(無効)て、Scriptを実行して下さい。

チェックの例

下記のように ”example-1.ssl” 2行目の第2パラメータの桁数を間違えた場合

  1. 'Example 1
  2. BKERAS 0 000110

Script Check Modeをチェックして実行(Execute)すると、下図のように、ResultにはFAILの表示、Result Monitorには、 BKERASの第2パラメータは4桁(bbbb)であるべきことが表示されます。

次のように修正後、改めて実行すると、"passed"と表示されます。

2. BKERAS 0 0001

エラーか無くなったことを確認したら、このモードのチェックを外し(無効)て下さい。

【Result File】

スクリプト実行結果を保存するファイルを指定します。

Browseボタンでファイルを選択するダイアログボックスが開きます。Clearボタンで設定内容をクリアします。

【Dump File】

ダンプ結果を保存するファイルを指定します。

Browseボタンでファイルを選択するダイアログボックスが開きます。Clearボタンで設定内容をクリアします。

保存される内容は下表の通りです。

例) 上記Script "example-1" の実行後のDump File "ex1.dmp" の内容

Script Execution Result

Lane : 0

Channel : CH0

Enable (Erase Program Read Dump Compare ErrorCount) : True True True True True True

Terminate with NAND Fail : True

Save Error Information to Result File : True

Line Cnt Channel Chip Block Page WordNo Dump

00000005 00000001 00 0 0001 0002 0000 03020100

00000005 00000001 00 0 0001 0002 0001 07060504

00000005 00000001 00 0 0001 0002 0002 0B0A0908

00000005 00000001 00 0 0001 0002 0003 0F0E0D0C

00000005 00000001 00 0 0001 0002 0004 13121110

00000005 00000001 00 0 0001 0002 0005 17161514

00000005 00000001 00 0 0001 0002 0006 1B1A1918

00000005 00000001 00 0 0001 0002 0007 1F1E1D1C

Script設定画面のParameterのチェックを外した場合は、結果データ(上記青色)のみが保存されます。

尚、Script実行途中Script Fileを切り替えたり、Result Fileをコマンドで指定することも可能です。

これらについては、また別の機会に説明しますが、興味のある方は、Operation Guide を参照して、試して見てください。