Vth Distribution(分布)測定
NAND フラッシュメモリ(以下NAND)は、記憶容量向上のために、多数値記録(1個のメモリセルに3値以上の値を記録する)技術が進展しつつあり、現在QLC(Quad Level Cell) も実用化されています。
例えばTLC(Triple-Level Cell)の記憶方式は、3ビット/セル、8段階のしきい電圧(プログラムは7段階)です。
多数値の記録方式ほど、プログラムも読取り時も、しきい電圧をきめ細かく制御、検証を繰り返す必要が生じ、各動作に要する時間(レイテンシ)が長くなり、劣化も早まる(エンデュランスが短くなる)傾向が顕著です。
こうした特性を踏まえた品質評価の為、SigNAS3にはVth Distribution 測定機能が装備されました。
下図は、TLC型チップの測定例です。
設定パラメータ
Word Line : TLCの場合3ページ(Lower, Middle, Upper)で構成されます。
例えば TLCのVth分布の測定を行う場合は、Wordline Start及びWordline#の値は、NANDの構造をデータシート等で確認し、SLCやMLCのエリアにならぬような値を設定して下さい。
測定結果グラフ
プロット値は、全測定回数分の平均値です。
X軸
消去された状態(111)と、次にプログラムされた状態(メーカにより異なりますが、例えば011)の読取り時の電圧差rL1(read Level 1)を基準としてその相対値単位(au: arbitrary unit) を表示しています。
Y軸
各プログラム値において、その読み取り電圧範囲内の各電圧における、セルの割合
下図のように、異なるメーカーのサンプルでは特性に違いが見られます。
尚、詳しいデータシートが弊社に開示されていないNANDについては、SigNAS3においてこの機能がサポートされておらず、下図の様にパラメータ設定ができない表示となります。
その際は、弊社にご相談下さい。